【漫画】「ダブルアーツ」の続編をいつまでも待ち続ける

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double-arts

「今暇」

「1500円くらいなら捨ててもいい」

そんな人が居たら是非ともオススメしたいのがジャンプの打ち切り漫画「ダブルアーツ」です。もうこれでもかってくらい夢と希望に溢れた王道少年漫画。名作になる予感をひしひしと感じさせた素敵なファンタジー。ジャンプ史に名を残す大作。

になる予定だったんですが打ち切られてしまった。

そんなダブルアーツについて語ります。未だに再開を希望する声もそれなりに見られる「打ち切りの名作」であるこの漫画、ライジングインパンクトの例もあるのでその一端でも担えればと思って布教します。

作者と早過ぎた連載

現在「ニセコイ」が大ヒット中(今は落ち目か?)の古味直志先生の連載デビュー作です。

よく言われるのですが「連載が早すぎた」とか。自分はジャンプ歴長いのでまあ打ち切られた理由も正直分かるっちゃ分かる。しかし作者的には小学生の頃から温めていたネタらしいです。そんな大事なネタを連載一発目に使ってしまったばかりにこんな悲劇的打ち切りになってしまいました。

設定は文句無しに面白い。というか面白そう、面白くなりそうという期待感を持たせる作品でした。しかし連載にあたっての「週刊少年ジャンプという荒波に船出する」という点で作者が未熟だったかなって思います。

一言で言えば「展開が遅い」です。誰もが皆成長しそうな新芽を見守るわけじゃないんですよね。だってアンケはがきは「今週面白かった漫画」に丸を付けるわけで。「面白くなりそう」「続きが気になる」は読み切りのアンケにしか無いんですよ。

アレ?これアンケがおかしくね?

長期的マーケティングで考えるとクソだなwwまあいいや、そもそもジャンプは今を求めて成長してきた雑誌だしそこはしゃーない。

作品概要とちょっとした設定説明

この漫画の魅力は第1話の設定の時点でもう完全に面白そうというところ。なのでその設定の説明。

奇病「トロイ」と「シスター」

世界観の設定として一番メインなのが、この世界では「トロイ」という奇病が流行っているということ。物語の根幹はここを中心として動きます。

トロイは別名で「透化病」と言われている病。感染すると体内で毒素が蓄積し、一定以上で発作を起きる。発作を起こすとおよそ1分ほどで衣服を残して身体が消えてしまうという病気です。

トロイは皮膚が接触することで感染し、この世界では数百年で10億人の人が犠牲になっている、感染すると致死率100%という病です。

それに対抗しうるのが「シスター」という存在。女性の中で稀にトロイに強い耐性を持つ人が居て、彼女らはトロイ患者から毒素を吸引して治療することが出来ます。

ただ、それも完全な治療というわけではなくあくまで「発作を遅らせる」ためのもの。一度トロイに罹ると病気自体は持ったままなので今後他人に触れると感染させてしまうことになります。そういう点ではやはりトロイの不治の病性は残ったままです。

また、シスターにも限界はあります。あくまで「常人よりも耐性が強い」だけなので、やはり毒素を一定以上吸収するといずれは発作を起こし消えてなくなるのがシスターという存在です。自分の身を犠牲にして人々を助ける聖職者という感じでしょうか。シスターはもれなくトロイ感染者なのです。

主人公「キリ」とヒロイン「エルー」

そんな悲劇のシスターたちですが、彼女らにも希望があります。それは「トロイに完全な耐性を持つ人間」が現れること。その人のことを調べて、いつの日かトロイが無くなる世界を目指すというのが、全てのシスターが数百年もの間待ち望んでいた希望でもあるわけです。

ここまで書けばもう誰でもお分かりでしょうww

この物語は、奇病トロイに完全耐性を持つ少年「キリ」とシスター「エルー」の物語です。

主人公のキリはトロイへの耐性があって患者に触れても平気なことはおろか、発作を起こした患者に触れているだけで発作を抑えることが出来る不思議な体質を持っています。

「ダブルアーツ」という物語の概要

「治療」を終えて発作を起こしたエルーにキリが偶然触れて発作が収まった。そこで発覚したキリのトロイ耐性。なし崩し的に「このままずっと手を繋いでいたら大丈夫なんじゃないか?」という流れに。

そうして始まった「男女が常に手を繋いだまま世界を救う物語」

それがダブルアーツという漫画です。

書いてみて改めて思うけれどもめちゃくちゃ面白そうじゃないかww

作品のタイトルである「ダブルアーツ」は主人公カップルの格闘術。「常に手を繋ぎながら行動する」ことを前提として作られたダンスをルーツにした戦術に名前を付けたものです。後述する失敗要因のひとつですが20話にしてようやく名付けられる、設定を逆手に取った彼らだけのオリジナル。

めちゃくちゃ面白そうやんけ!!!!

ダブルアーツの魅力

完全に個人的な主観なのでアレですが。

ボーイミーツガール

これって王道でしょう?

それを完全に地で行って、おそらく長期連載になろうとも最後までそれで貫き通せるであろう設定を作って完遂させる素養が設定にはありました。途中の路線変更はあろうとも人気作は大体そんなもんです。悟空だってブルマに出会ったし、ダイだってレオナ姫に出会ったし、桜木花道だって春子さんに出会ったんですよ。

少年が少女に出会って物語が動き出す。

それだけで少年漫画は面白いんです。素敵な物語はそうやって始まって良いんです。そして素敵なまま終われる素養を秘めていました。

ちなみに作品自体はヒロインであるエルーの日記というか回顧録みたいなものとして描かれています。「キリという少年に出会って人生が変わったエルーという少女が後に綴る物語」という形式を取ってるわけですが、これだけでもうハッピーエンドも確約されているんですよね。もう完全に素敵な少年漫画です。

色々とワクワクドキドキする

あくまでも「読んだことのない人に読んで欲しくて書いている記事」なのであまり詳細に触れたくはないのですが・・・。

なんというかとにかくエピローグが気になります。温めていたネタだけあって伏線も豊富。ネタ自体はありきたりかもしれませんが見せ方だけは上手かったと思います。

奇病トロイを中心とする物語なのですが、その周りも色々あります。道中で邪魔する主な敵での「ガゼルの暗殺者」という存在。彼らはトロイの秘密を知っていて、トロイが無くなると困る人たちらしいです。なのでシスターを狙って殺そうとする組織。これだけで色々妄想が膨らむわけで。黒幕はシスターマーサゲフンゲフン何でもない。というかそれはちょっと少年誌っぽくないかも。

それと主人公のもう一つのチート能力「フレア」の存在。「誰かと手を繋ぐと力が倍化するという謎の能力」です。元気玉みたいで少年誌っぽい一方、トンデモ設定過ぎて「ハァ?」って思った自分も居ます。

しかし作中でも言われているように「さながら永久機関、そんなことがノーリスクで行えるのか?もしそれが賢いクズの手に渡ったら・・・」などと危惧されているように、どうとでも料理できるすごい素材。「みんなで力を合わせれば超強い」と言った単純な少年漫画的要素を秘めた一方で、「実はリスクがあるのでは?」「ガゼルの手に渡ったらどう使うのか?」などと妄想を膨らませる要素でもあったり。

語りだすとキリがないので終わり

軽く書いてみようと思ったらここまでで約3000文字だ。このブログはいつも基本1000文字くらいしか書いてないよ?

まあ全3巻だから内容は読んで評価して欲しい。時給800円として貴方の2時間を使って欲しい。決して無駄にはさせないとは思う(主観という逃げ道

ダブルアーツが打ち切られた理由

こちらも主観ですがまあ思うことを。

もうこれは単純に「冗長だった」からかと。「序章で終わった漫画」は好評価でもあるが悪評でもあるってことです。個人的には「ドラクエ6で最初のおつかいして終わった漫画」って感じ。

「大地に穴が開いていた!」

「世界には魔王がいるらしい!」

オラワクワクしてきたぞ!

でも冠を買ってきて終わった。

というお話。アラサー話題ですまん、分からんかったら無視してくれ。でもこれはジャンプでは人気出なくて当然。ドラクエ6とジャンプの新人作家では圧倒的に立場が違う。

ドラクエは1万円払って買って、最初の1時間はお使い。でも絶対壮大になるし面白くなる保証が99%あるから続ける。というか買い切りだから普通に最後までやる。方や名も無き新人漫画家のお使い、今後面白くなる保障は無いんですよね。

そしてそんな序章が長すぎる。言ってしまえば全23話のうち大半が無駄。軽くストーリーを説明すると

「世界の救世主が見つかったかもしれない」

→「大事に守りたいのでシスター最強の軍団を護衛に派遣するので最初の街で待っててください」

→「待ってたら襲われまくった、おまけに最強の軍団は瞬殺されたので結局自分で歩くことにしました(ようやく冒険の始まり)」

ここまでで18話くらい。長すぎでしょww

今単行本で読めば一瞬ですが連載だと4ヶ月かかってるわけで。「最強軍団が一夜で壊滅しました」を紙面で見たらやっぱ自分は「ハァ?」ってなりました。今までなんで待ってたのよ?全部意味無いじゃん!おまけにその後も絶望じゃん!ってなりました(まあ厳密にはその時点では多分打ち切りは決まっていたかと思いますが)。とにかく序章が冗長。そして最強軍団が瞬殺されるという謎のインフレ。

週刊連載にスピード感が求められるのはそれなりに妥当ではあります。

ワンピだって1話で海に出てるわけで。ダブルアーツで言えば海に出るまでに5ヶ月かかったんですよね。そりゃ無理だなって思います。好みを抜きにしてもこれだけは断然ワンピに軍配が上がります。

「面白くなりそう」じゃ続かない

それがジャンプという雑誌。

それが分からんうちに最大のネタを使ってしまったのが悲しいところです。今でも自分は好きだけど終わりそうな漫画には雀の涙のような援護射撃アンケを送ることがありますが、基本は子供たちのその週の感想がジャンプのメインです。

「今週面白かったかどうか」

これがジャンプのメインであることは間違いないです。そしてぶっちゃけダブルアーツは毎週面白いわけではなかったかなと思う。あくまで「面白くなりそう」だっただけ。

運が悪かった

ただ、ジャンプは他の連載との兼ね合いの部分も大きいので「面白くなりそう」で続くこともあるんですよね。主に「他の新連載がもっとショボイ」とかだと生き残りやすい気がします。個人的には最近では「背筋をピン!と」辺りが面白くなりそうだけど結構序盤ダラダラしてたなーって印象。

当時は新連載が暗黒期で代わりに入ったものも次々と打ち切られていた感じだったんですが、たしか個人的に全然面白くないし評判もさほど良くなかった漫画がひとつだけ低空飛行で結構続いたことがあったんですよね。1年位は続いたのかな?

あの位置に入れれば、あるいはその後も大きく変わった可能性があったかなーとも思ったり。運というのも今のジャンプでは大事な要素ですよね。

今でもダブルアーツの復活を待ち望む

それでも今は運の要素も減った、というかジャンプ+などの存在によってキャパシティが大分増えたと思うんですよね。本誌で相対的に人気が無かったとしても、一定水準以上あればそういった場所で陽の目を見られる機会が増えています。

過大評価かもしれませんが、やっぱり今でも「面白かった」という声はよく聞きます。今回この記事を書いたのもツイッターで「ダブルアーツってやっぱ面白かったな」なんて呟いてみたら意外なとこから反応あったりしたから、それじゃちょっと書いてみるかなーって感じで書き始めたわけですし。

おそらく一定水準以上の人気はあると思うんですよね。そして、まだ読んだことのない人が読んだとしてもある程度の人は好きになってくれると思います。それくらい面白かったんですよねやっぱり。

そんな母数を増やして、そういう声を目に見える形にして届けることが出来れば、いつかライジングインパンクト的復活が出来るのではないかなーと思ったり。ニセコイも終わりそうですしね。数年前の打ち切り漫画が今更何故かバカ売れとかなったら集英社も少しは考えるであろう。

そう思って布教し続けようかと思いますまる

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コメント

  1. ダブルスーツ より:

    正直、読んだ人にしかわからないでしょうが同感です。
    ジャンプに載せるには5年早かった(もしくはジャンプ以外だったら)と思える話でした。
    ただし、今だったらJQ、J+には十分連載可能(というか、同じ思いでいる古味直志ファンが多くいるから大丈夫)だと思えます。
    ただ、続編をする場合はラスト2から3週は削ったあたりから始めてほしいな。
    (終わりで巻いた印象が強いので)

    • みたーそ@管理人 より:

      >ダブルスーツ様
      コメントありがとうございます。

      やはり好きな人は結構居るんですね、嬉しいです。
      ホントに今は打ち切り後の受け皿が広いんで、今ならJ+辺りで十分連載可能なくらいは人気はありそうですね。
      ニセコイも終わったことですし古味先生には割りと現実的にその辺考えてみて欲しいなと思う次第です(我儘ですがw

      最後は完全に打ち切りエンドでしたからねー。
      でもその辺はライジングインパクトもなんか有耶無耶な感じで復活したんで難しいかなと。
      最終話のくだりが古味先生の元々考えていたENDに近いものでしたらまた別ENDを考えなおしてもらわないといけないあたり難しいですね。
      あの終わり方もそれなりに渾身のエピソードではあったと思うので。